いよいよ太平洋高気圧の登場です。
前回で肩慣らしも済ませ、8月の新月期間が始まりました!
梅雨明け以降の夏の星空と言えば、このお盆期間ワンチャンスです。
この時期を撮り逃がせば今年の夏空は終わりですから、そうはさせじと気合が入ります。
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(地図ルートは出発点と到着地を曖昧にしています)
星空の宝庫。南紀。
高速だと半分くらいの時間でたどり着きます。
でも、その2時間半に費やす高速代は片道で3410円。これってほぼ往復のガソリン代に相当します。
だったら片道2時間半余計にかかっても、下道をチョイス。
毎回車移動だけに1万円もかけるよりも、節約した分回数多く撮影したいですしね。
紀伊山地の山道はバイクツーリングの思い出も重なり、1時間以上信号待ちなしで山深い大自然の中を快走できるルート。ワインディングロードも好きなので長時間ドライブは大して苦になりません。(^^)
それでも昨年までは南紀に対してとても遠いイメージがありました。
でも今年はすでに6回往復していますから、その印象もずいぶん変わってきました。(笑)
そんなわけで距離感なんて、物理的以上に心理的なものなのでしょう。
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撮影場所付近には大抵午前中に到着します。
日暮れまで半日以上ありますが、この時間を使って新しい撮影スポットを探索(ロケーション・ハンティング)するためです。
せっかく遠くまで来ている貴重な機会ですから、撮影場所探しも重要な取り組みの一つ。まさに「写真は足で撮れ」と云われる所以です。
しかし一言でロケハンといっても、天の川が絵になる場所というのは意外と少ないものです。
まず、天の川方面に海が開けていること。
適切に車が駐車できる場所があること。
なるべく車と撮影場所が近いこと。
こういった条件を満たしそうな場所を予めGマップでチェックしておいてナビに候補地点をセットしてあります。
しかし、現地でもし絵になる場所だったとしても、離れた道路を走る車のヘッドライトが撮影する方向を照らすようでは台無しです。
またすぐ後ろに照明灯が立ってたり、近くに集落があってもその光の影響は無視できないほど大きいことがあります。暗くデリケートな星明かりを狙うだけに、意外とこういうパターンも多いのです。
そして何よりも真っ暗な状況で撮影ポイントにたどり着けて戻ってこれるかを安全面からチェック。これが何よりも肝心なのです。
以下の画像のような場所があったとして、ここが真っ暗な状況を想像しながら下見をするわけです。
ライトを点けても見える範囲は自分の前方2m四方あるかないかといった感じになりますから、その中でどこをどう通ってどこに三脚を立てるかなどを考えます。もちろん帰る時の目印もしっかり頭に入れます。
いい場所だと気に入っても、夜間の満潮で潮が満ちてくる場合もありますから、干満情報も重要です。
下手をすると、海に囲まれてしまって戻れなくなる場所だってあります。
ここは実際に真っ暗な時間帯に撮影のために通ったルートです。この斜め岩しか通れない場合、重い機材を背負ってどう通るかをシミュレーション。
滑り落ちるとそこは海です。もし確実に渡り切る方法が見つからなければここはNGで断念しますが、入念に調べて渡れるラインがありました。
こういう場所は移動が簡単で苦労が少ないのですが、道路を走る車のライトが海を照らす場所なので大抵は景色が良くてもNGです。
これは廃道となった旧国道です。
後方に現在の国道が通っていますが、そこからは死角でほとんど見えない場所です。
ややヘッドライトの影響があるものの、海にせり出した断崖なので、絶好の撮影スポットでした。
こういう穴場を発見するのがロケーションハンティングの醍醐味です。
同じ場所です。午後11時頃に天の川が真正面に立ち上がることが判明。
良い画が撮れそうです。
他にも地図にないような脇道も探索します。
ある程度見込みのある場所を訪れるのですが、それでも半分以上はNGです。
本当にいい場所は、他人には秘密の場所ですから、結局地道に探索して見つけるしか方法はないのです。
磯へと続く細い道を見つけると期待でワクワクします。
ガラゴロ動く石だらけの浜は歩きにくいです。猛暑にうだる中、汗だくになるので、日焼けと熱中症対策は必須です。
油断して脚をくじくなどのないよう、一歩一歩に神経を集中しますが、ほぼ登山と同じ位の慎重さで行動。
こういう車大の岩だらけの場所もあります。
行き止まりだらけの迷路なので、勘と読みを働かせますが、あまり夜中にうろつくような場所ではありませんね。
行動できる時間はせいぜい30分。焼け岩を彷徨ってまるで熱地獄の惑星を探索する宇宙飛行士です。
暑さでへとへとになって車に戻り、電解質ドリンクとエアコンで生き返ります。(笑)
いつかこの構図で撮影してみよう。(^▽^)”
こういう場所ですが真夜中に人が来ないマイナーな絶景スポットも狙い目です。
車の近くで安全に快適撮影できる幸せが堪能できそうです。
ロケハンを終えたら、夜の撮影地を決めます。だいたい一晩で2ないし3箇所で撮影する場合が多いです。
最初の撮影ポイント付近で夕食。ロケハンで消耗した体力回復のため、料理の手間はかけずお手軽なパンで夕食を済ませます。
昼間の雲は徐々に減っていき、夜間の快晴に期待が膨らみます。
撮影編につづく。