h-3’s diary

趣味世界の独り言

一粒の豆から香り立つ悠久の物語。 コーヒーを淹れるとは、その物語に参加することでもある。

車中泊用のレギュラーコーヒーが無くなりそうだからそろそろ買わなくっちゃ。」

そう思ったのがきっかけでした。

 

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特別コーヒー好きというわけでもないので、普段はインスタントで過ごしています。

そんな私でもカップに乗せてお湯を注ぐドリップパックの、レギュラーコーヒーならではの香りや味の違いは分かります。

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「またドリップパックを新たに買うことにして、とりあえず手元に残っている賞味期限切れのドリップパックは使い切ってしまうことにしよう。」

 

というわけで封を切って飲んでみたところ、「これはコーヒーか???」と思うほど違う飲み物の味になっていました。(><;)ゲッ、マズー

 

そりゃ確かに期限切れでしたよ。でも、密封パックでもこれほどまでに香りと味が落ちてしまうとは意外でした。

 

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とにかく日持ちしないドリップパックを車中泊用にストックするのは止めたほうが良いと分かったので、それならば他に美味しいレギュラーコーヒーが飲める方法はないものかとネットを探索。

 

 

そんな中で、パーコレーターという器具に目が止まり、、、

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気がつけば目の前にあるじゃないですか! という典型的な衝動買いです。(^^;ゞ

 

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コーヒー関連のサイトを調べると、挽いて粉の状態になってしまうと、密封状態でもどんどん風味が落ちていくらしい。ふんふん、、、

なので、豆の状態で密封するのが保存には適していること。

しかし、豆の状態であっても購入したら早めに使い切るべきこと。

ミルで豆を挽いた時が最も香り高い瞬間であること。ふんふん、、、

 

じゃぁ豆とミルを買いましょう。(^^)b

 

でも、豆は種類豊富でブレンドもあるから何を選んだら良いのだろう?

さらにロースト(煎り加減)、そして挽き加減も味に関係してくるのか??

 

軽い好奇心で踏み込んだ世界は、一歩目から迷路のように謎だらけ。

でも、ワクワクしながらますます深みを目指す私。(^^)

 

豆を売ってる店の前でずいぶん迷った末に、ドキドキしながら店員さんに注文。

きっとコーヒーの初心者だと、すぐに分かったはず。(笑)

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でもね、この「初心者」って言葉。

昔は自分がそう思われるのが恥ずかしくて、その状態から抜け出したくてがんばっていたけど、今はとても新鮮な感じで良いものだなぁ、と思うようになりました。

だって、未体験の領域に踏み込んだ時の高揚感は、この時期だけ味わえる気分ですからね。

 

『初心忘るべからず』って格言は、「人生の残り時間は減り続ける。だから諦め上手になったり、ちっぽけなゴールやプライドにしがみついて自分を大きく見せることに時間を使うなんてもったいない。どうせなら未知の領域に裸で飛び込んですったもんだしながら成長する、あの感動(=初心)を味わうことに、もっと時間を使えよ。それって人生の一番おいしいところなんだから。」って意味だと個人的に思う次第でございます。

 

~余談終わり~(笑)

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ミルはハンドル脱着でコンパクト収納のタイプをチョイス。

 

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目一杯入れて20グラム程度。これで2杯分になるようだ。

 

シャフトを見て「電動ドリルのチャックでくわえたら、電動ミルになるんじゃないか!」って思ったりするところがDIYバカらしい発想で、そんな自分に呆れてしまいますが、趣味とはそんなありのままの自分をさらけ出せる世界だからこそ面白いんじゃないでしょうか?

 

 

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ハンドルを回すと、ゴリゴリと豆の砕かれるちょっと重い手応えが小気味良い。

豆から淹れる人だけが知っている感覚なんだと思うと、ちょっとマニアックな世界へ踏み込んだ気がして単純に嬉しい。(笑)

 

 

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粗挽きにしてハンドルを回すことおよそ100回。

この香りはすごいじゃないですか! 部屋が一気に喫茶店に変わってますよ、いやホント。

脳波がα波で満たされるような心地よさにうっとりと酔えます。(笑)

 

コーヒーの香り成分は、まだまだ解明途上で、判明しているだけでも1000種類はあるとか、、、

 もしかすると至福感をもたらす未知の怪しい成分が含まれているのかも。

 

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粗挽きでも漉し器の目を通して少し粉が落ちるので、シリコン計量カップの中で粉を入れます、これがなかなか具合がよろしいのです。

 

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パーコレーターの底で沸騰した泡が漉し器真ん中のパイプを上昇してお湯とともに噴出するので、それが漉し器の中に流れ込んで抽出する仕組み。

 

 

 

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パーコレーターの2番目の線まで水またはお湯を入れ、

 

 

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粉の入った漉し器をセット。

 

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弱火でお湯を沸かします。

 

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パーコレーターのキャップは透明で、ここで噴出状態をチェック。

ちなみに、買ったときには樹脂製の透明キャップが付いているのですが、透明感の低いいかにも樹脂っぽい感じがムードを下げるので、ガラスのタイプに交換してあります。

ガラスのキャップだと透明感抜群で、コーヒーの色の変化が分かりやすくて本格度がアップ。

 

一度もコーヒーを淹れていないうちから、そういう些末なことにこだわるところが 、ネット知識で背伸びしようとする ”初心者あるある” 的で微笑ましいですね。

 

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お湯が湧いて、少し漉し器に流れ込んだら一旦火を止めて、1分間コーヒーの粉を蒸らします。

パーコレーターでは蒸らさないのが普通らしいけど、蒸らしてドリップ式の良さを取り入れた方が香りも味も濃く抽出できる感じなので、私は蒸らし派です。(^^)

 

 

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蒸らしを終えて今度は弱火で2分間沸騰させて抽出します。

 

 

ポコポコ吹き上がるミニ間欠泉を眺めていると無心になって和めます。

やがてその色が琥珀色へと変化し、、、

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 2分で火を止めて、漉し器の雫が落ちてしまうのを待ちます。

 

 

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その待ち時間にぴったりなのが、ミルの掃除。

細かなカスが劣化して香りと味を邪魔するので、丁寧に除去します。

この時に使い勝手が良いのがこの工作用ブラシ。(笑)

 

ちなみにパーコレーターの手入れは、水洗いの後ペーパータオルで拭けば終わり。コーヒーかすも冷めてからペーパータオルに受けて捨てるだけと簡単です。

 コーヒーかすは天日干しして乾かせば、消臭剤や脱臭剤とか、その他いろいろ使い道があるそうなので、それも試してみたいですね。

 

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漉し器は熱いので、シリコン鍋敷きでつまんで引き出し、シリコン樹脂計量カップに入れます。

断熱に優れたシリコン製品が活躍。

 

 

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はい、抽出完了です。

 

一般的なドリップペーパー方式では、抽出を終えた時には温度が下がってぬるいコーヒーになるので、ポットを沸かし直すなどの必要があり、実は地味に手間がかかります。

 

それに比べると、こちらは直前まで沸騰していたポットからコーヒーを注ぎますから、冷たいカップでもへっちゃら。

そういう意味では寒い冬の屋外でも美味しくコーヒーを飲んで温まれるパーコレーターが最適かもしれませんね。

 

※一般的には沸騰させるパーコレーターでは香りが飛びやすく雑味が出やすいと言われるが、蒸らしによって沸かす時間を短くすれば、ドリップに匹敵する香りと味のコーヒーを淹れることが可能である。

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カップはsnow peakチタンダブルマグ300 これがベストマッチ!

 

熱いコーヒーを入れてもカップ自体は断熱構造で熱くならないし、チタンの熱伝導の低さと相まって飲み口にも熱が伝わらず飲みやすいです。もちろんコーヒーも冷めにくいですしね。

チタン素材はコーヒーの味と香りに全く影響しないのも◎で、アウトドアでもインドアでもムードが良く、コーヒーを飲むために作られたんじゃないかと思うくらいオススメですね。(^^)b

 

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美味しいコーヒーを淹れるのって難しいはずと,漠然と思い込んでいましたが、いざやって要領さえ掴んでしまえば実は意外と簡単で、家族からも好評。

 

豆の違いやロースト、挽き加減による傾向も少しずつ判ってきました。

ちなみに現時点の私の淹れ方と好みは、パーコレーター使用。中粗挽きで1分蒸らし2分抽出。豆は酸味少なく苦味とコクが強いタイプをシティローストしたストロング系の味です。

 

コーヒーって、それまでは「飲み物」としてのみ認知していましたが、豆を選んで買って挽いて淹れるという、一連のプロセスを辿ることで、単なる飲み物を超えた深い世界に出会うことができました。

 

ゴリゴリする体感や香り、ポコポコする音や、静かに立ち上る湯気、、、

淹れたてのコーヒーの香りと味わいに耳を澄ますかのように五感の全てを集中させると、まるで瞑想のような無心の心地良さを感じます。

 

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車中泊の時にレギュラーコーヒーでちょっと贅沢な気分が味わえればいいやと思っていたのですけどね。期限切れのドリップパックの不味さがきっかけで、自分の日常に新たなる世界との接点を持つことができたのですから、出来事に秘められた縁とは実に不思議なものです。

 

そんなわけで、あの期限切れドリップパックに深く感謝したいと思う次第です。(^_-)-☆